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企業ポッドキャストの運用工数は?
月1回の収録と社内の役割分担

企業ポッドキャストの運用に、社内でどれくらいの時間が必要か。
オトポートのお客様で多い目安と、収録の進め方、社内の作業の内訳と役割分担を整理します。

田島 一希株式会社オトポート 代表取締役

この記事の要点

  1. 毎週配信でも、収録は月1回・2〜3時間で4本にまとめられる
  2. 窓口の担当者の準備・確認・連絡は、収録とは別に1人あたり月3〜4時間程度が多い
  3. 「出る人・決める人・回す人」を分け、確認は音源の送付から約1週間以内に戻す

毎週配信するなら、毎週の収録が必要なのか。社内の担当者は、月にどれくらいの時間を見ておけばよいのか。企業ポッドキャストを検討する際、まず確認したいのはこの2点です。オトポートに制作を依頼しているお客様の場合、目安は次のとおりです。

月1回収録日(4本をまとめて収録)

2〜3時間1回の収録

3〜4時間窓口の担当者1人の準備・確認・連絡(月あたり)

オトポートのお客様で多い目安です(2026年9月時点)。3〜4時間は窓口の担当者1人あたりの時間で、収録や、公開を判断する人が完成音源を聴く時間は含みません。番組の内容や社内の体制によって変わり、業界全体の平均ではありません。

つまり、出演者は月1回の収録日に2〜3時間、窓口の担当者は収録とは別に月3〜4時間程度を見ておくのが一つの目安です。週1回配信なら、月1回の収録で、おおむね4週間分の音源をまとめて録れます。社内で時間を使うのは、収録日の出演のほか、テーマの準備や出演者との調整、完成音源の確認とその連絡です。この記事では、オトポートの基本運用を例に、収録の進め方と、社内の作業の内訳と見積もり方を整理します。

毎週配信でも、収録は月1回にまとめられる

収録と配信は、同じ頻度で行う必要はありません。あらかじめ4本を収録し、編集・確認を終えたエピソードを1週間に1本ずつ公開すれば、毎週収録に集まらなくても番組を届けられます。

月1回の収録から、週1回の配信まで

制作会社に依頼する場合の流れの例(オトポートの基本運用)。目安は、収録から完成音源の送付まで約2週間、確認は送付から約1週間以内です(列の幅は日数を表しません)。

  • 社内(依頼する会社)
  • 制作会社
  1. 収録前

    社内テーマの準備、出演者への依頼・日程調整

    制作会社番組企画に沿った制作準備

  2. 収録日(月1回)

    社内出演。2〜3時間で4本をまとめて収録

    制作会社収録(オンラインでも可)

  3. 収録後

    社内完成音源の確認と、修正希望のとりまとめ

    制作会社編集(ノイズ除去・カット・音質調整)

  4. 配信(週1回)

    社内エピソードのシェア

    制作会社Apple Podcasts・Spotify などへ配信第1週第2週第3週第4週

出典:オトポートの基本運用(2026年9月時点)をもとに作成

収録日から完成音源をお送りするまでは約2週間、確認は送付から約1週間以内が目安です。収録してから1本目を配信できる状態になるまで、最大で3週間ほどを見ておくと、配信日を無理なく組めます。

月1回のまとめ録りで抑えられるのは、関係者が収録のために予定を空ける回数です。出演する経営者や社員の予定に合わせて収録枠を確保し、その日に話すテーマを準備する形になります。公開日は別に設定できるため、収録日と配信日を分けて計画できます。

一方、配信日が月に5回ある場合は、4本だけでは足りません。追加収録や事前のストックなどを検討する必要があります。また、ニュースを扱う番組や、毎回異なる外部ゲストを招く番組は、情報の鮮度や相手の日程に合わせた調整が必要です。

2〜3時間で4本を録るために、収録日までに決めておくこと

マイクを設置する手元とノート。ポッドキャストの収録準備のイメージ
イメージ写真収録準備の様子。写真:George Milton / Pexels

1回の収録で4本を録るには、収録日の時点で「何を、誰が話すか」が4本分決まっている必要があります。オトポートでは、月4本の場合、1本あたり15〜20分程度の番組を想定しています(詳しくは料金プラン)。1本の長さの目安があると、1回に入れるテーマの量も決めやすくなります。

収録日までに用意しておきたいのは、次の3つです。

  • 4本それぞれの仮テーマと、出演者・聞き手(進行役)
  • 出演者が話したい出来事と、伝えたい点のメモ
  • 公開を控えたい情報(取引先名や未公表の情報など)

オトポートでは

収録日の聞き手(進行役)も、お客様側で社員などを立てるケースが多くあります。出演者と聞き手の組み合わせを、4本分まとめて決めておくと進めやすくなります。

台本を一字一句用意する必要はありません。要点のメモがあれば十分です。読み上げる原稿があると、かえって話し方が不自然になりやすいためです。代わりに、「仕事のやりがい」のような広いテーマではなく、「最近担当した案件で工夫したこと」のように、出演者が具体的な経験を思い出せる問いまで用意しておくと、収録が進めやすくなります。

収録はオンラインでも行えます。出演者が同じ場所に集まりにくい場合でも、月1回の収録枠を確保しやすくなります。会議室で収録する場合の部屋とマイクの準備は、記事「会議室でポッドキャストを収録するには?音の失敗6つと、その場でできる対処」で紹介しています。

社内の作業は「準備」と「確認」。
役割を3つに分けて見積もる

運用工数を見積もるときは、収録の時間だけでなく、「誰に話してもらうか」「何を話すか」「どこまで公開できるか」を決める時間も含めて考えます。社内の作業を1人の担当者が抱えると、その人が忙しい月に、収録も確認も同時に止まります。社内の役割は、次の3つに分けておくと進めやすくなります。

  • 出る人:現場でいちばん詳しい人と、聞き手(進行役)。話すことに集中してもらう
  • 決める人:公開してよいかを判断する人。確認の最終責任を持つ
  • 回す人:日程調整と社内の連絡、修正希望のとりまとめを担う人

この3つの役割に、毎月の作業を割り当てると次のようになります(2列目は、担う役割と期限)。作業ごとの時間は出演者の数や確認の人数によって変わるため、表には目安が分かっている作業だけ時間を入れ、残りは空欄にしています。空欄は、自社の体制に合わせて書き込んで使ってください。なお、自社で番組を制作する場合は、これに加えて編集・配信・聴かれ方の分析の時間が毎月かかります。

毎月の作業担う役割/いつまでに見込み時間(自社で記入)
4本の仮テーマと出演者を決める回す人・出る人
収録日まで
 
出演者への依頼・日程調整回す人
収録日まで
 
話したい出来事・公開を控えたい情報のメモ出る人
収録日まで
 
出演(4本の収録)出る人
収録日(月1回)
2〜3時間
完成音源の確認・公開の判断決める人
送付から約1週間以内
聴く時間:4本で60〜80分程度(1本15〜20分の場合)+判断
修正希望のとりまとめ・連絡回す人
送付から約1週間以内
 
エピソードのシェア回す人(ほか)
配信日ごと
 
窓口の担当者1人の作業(出演を除く)回す人
毎月
3〜4時間程度が多い

このほか、始めるときに初回1〜2回の企画打ち合わせがあります。制作会社に依頼する場合、番組企画や収録後の編集・配信は制作会社が担います。具体的な分担は、番組内容やお客様の体制に合わせて打ち合わせで調整します。

確認の期限は、オトポートでは完成音源をお送りしてから約1週間以内でお願いすることが多くあります。決める人が音源を聴く時間は、窓口の担当者の3〜4時間とは別に見込んでおきます。

見積もるときは、作業に使う時間と、返答を待つ期間を分けて考えると、公開までの日程を組みやすくなります。たとえば音源確認の作業自体が短くても、上司やゲストなど複数の確認者がいる場合は、その1週間の中で誰がいつ聞くかを決めておきます。同じ4本でも、同じ出演者が話す番組と、4人のゲストを招く番組では、必要な連絡の量も異なります。

公開日・テーマ・ゲストを整理したうえで、制作の工程ごとに担当と期限を決める方法は、Spotify の配信者向けサイト Spotify for Creators でも紹介されています[1]。

運用例:社員インタビュー番組を月4本つくる場合

ここまでの分け方を、ひとつの番組に当てはめてみます。

説明用の架空例

社員の仕事や考え方を伝えるインタビュー番組を、月4本制作するとします。出る人は毎月入れ替わる各部署の社員と、聞き手を務める広報担当者、決める人は広報部長、回す人は聞き手とは別の広報担当者1名です。

回す人は、収録の前の月のうちに4本の仮テーマと出演候補を決め、出演者に日程と、話したい出来事のメモをお願いします。収録日を決める段階で、音源を受け取る予定と、決める人の確認の戻し期限もあわせて決めておきます。

月初に収録した場合、完成音源は2週間ほどで届きます。届いたら、決める人が1週間以内に、事実関係、固有名詞、公開してよい情報を中心に確認します。出演者から出た修正希望は回す人がまとめて伝えるため、決める人は公開の判断に集中できます。回す人の作業は、オトポートのお客様で多い目安に当てはめると月3〜4時間程度です。

このように、誰が・いつまでに判断するかを先に決めておくと、判断待ちで収録や公開が止まる状態を避けられます。まとめて実施する作業と、外部へ任せる作業を整理する考え方は、Spotify for Creators の制作ワークフローの解説でも紹介されています[2]。

導入前に確認したい4つの項目

毎週配信を続けられるか検討する際は、次の4点を社内で確認してみてください。

  • 月に1回、出演者を含めて収録枠を確保できるか
  • 出る人(聞き手を含む)・決める人・回す人を、それぞれ誰が担うか
  • 完成音源を誰が確認し、送付から1週間ほどで返答できるか
  • 公開後、どの媒体で誰がエピソードをシェアするか

立ち上げ時の準備と、配信開始後の毎月の作業は分けて予定を立てると、必要な時間を整理しやすくなります。立ち上げまでの手順と期間は、記事「企業ポッドキャストの始め方は?企画から初回配信までの7ステップ」で紹介しています。

まずは月1回・2〜3時間の収録枠と、窓口の担当者が月3〜4時間程度を確保できるかを確かめることが、通常業務と両立できるかを判断する出発点になります。

出典

  1. Spotify for Creators「A podcast schedule is the key to a consistent show. Here’s how to use one.」
  2. Spotify for Creators「A guide to managing your podcast or show workflow」

この記事を書いた人

田島 一希たじま かずき株式会社オトポート 代表取締役。2015年にポッドキャスト制作事業を始め、これまでに50番組・6,000エピソード以上の企画・制作に携わる。

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